2006/2007 WEEKLY BULLETIN

2007年5月16日

第2119回例会

●SAA(司会) 小川会員 / ●会報担当 篠田会員

点鐘 市原RC 会長 津留起夫
ソング 手に手つないで
お客様 (社)日本シンガポール協会会長 澤田 豊治様
崎山ガバナーノミニー事務所 山路 雅子様 成田 香織様
ガバナー事務所  神田 裕子様 牧野 泰子様 牧野 幸代様
会長挨拶

市原RC 会長 津留起夫

市原RC 会長 津留起夫 皆様こんにちは。本日のお客様は、卓話をしていただきます澤田豊治様と白鳥ガバナー事務所より5名のスタッフの皆様がお見得になっております。
 本日、皆様のメールボックスに「市原ロータリー・クラブ細則改定案」を入れました。既にお手元にあると思います。来月6月6日(水)の第一例会で、この改定案についてご意見を伺いたくクラブ協議会を開催します。事前にお渡しできない会員の皆様には郵送する事になっております。赤字で書かれたところが、加筆及び訂正の部分です。気が付かれた部分がありますれば、どうか幹事はじめ理事役員にお知らせください。

幹事報告 ・ 第32回市原特定運動会実施について、平成19年6月22日(金)午前9:30より中央武道館にて運動会を行います。
・ 佐藤まさひさ氏イラク体験談を聞く夕べのご案内について、
  平成19年5月29日(火)午後17:00よい千葉駅ビル ペリエ大ホールにて
  千葉県隊友政治連盟の主催により講演会が実施されます。
委員会報告 ●親睦委員会 山本会員
 今週末の旅行の最終案内について、内容についてはJTBさんより案内の通りですが、
 当日朝の集合場所を東海道新幹線 南乗りかえ口 8:55 に変更いたします。
  当日 不明な点が有りましたら 別紙〈緊急連絡先〉まで連絡下さい。
本日の
プログラム

●最近のシンガポール事情

目指すはギャンブル・シティか、国際文化芸術都市か?

(社)日本シンガポール協会会長 澤田豊治

1・ カジノ解禁騒動・・・ギャンブル・シティ化?
  元々麻薬やギャンブルには厳しい姿勢をとっていたシンガポール政府が、突然カジノを解禁すると云い出し、その是非を巡って、一昨年から昨年にかけてシンガポール全土を揺るがすような大論争があった。かって、ギャンブルと麻薬を厳禁し、安全で治安の良い社会を造り上げたリー・カンユー初代首相の息子リー・シェンロン首相が、こともあろうにカジノ解禁を云い出した張本人とあっては、国民が驚くのも無理はなかった。あらゆる階層を巻き込んだ是非論争は一年近く続いたが、最後は政府の決断で解禁、2009年から10年にかけて、二つの大型カジノがオープンすることになった。
   
一つは、シンガポール川河口の「マリナ・ベイ」。36億ドル、約43百億円かけて、 カジノ、約4万坪の大国際会議場、2,500室を有するホテルなどを作る計画。
もう一つは、シンガポール最大の行楽地「セントーサ島」。34億ドル、約41百億円を投入して、カジノ、テーマパークの「ユニバーサル・スタジオ」誘致、大型水族館を作る計画。両方合わせると約84百億円の超大型プロジェクトである。
  今回の決定は、年間約1千万人の観光客数を、2015年までに17百万人へ増加させる重要な観光施策の一環とされている。
2・ 第二のベニス創りを目指す「ルネッサンス・シティ構想」
  今回のカジノ解禁は、シンガポールが描いている国際文化芸術都市構想とも密接に繋がっているように思われる。
   
1970年代、文化砂漠と云われていたシンガポールだが、驚異的な経済成長の実現、その結果としての国民生活の飛躍的向上を背景に、21世紀半ばを目処に、ロンドン、ニューヨーク並みの国際文化芸術都市を目指す「ルネッサンス・シティ構想」を進めている。中世ヨーロッパで繁栄を謳歌したベニスに匹敵するような都市国家創りである。それもベニスが500年近くかけて築いた富と文化芸術を、IT情報化とグローバリゼーションの波に乗って、僅か50年程度で実現しようと云う構想である。
  1990年代初めより第一段階として、ハード(文化芸術施設)の拡充整備と、青少年への芸術教育が重点指向された。
   
2002年に完成したアジア最大級の文化芸術施設「エスプラナード・シアターズ・オン・ザ・ベイ」は、1,600席のコンサート・ホール、2,000人収容できる大劇場、リサイタル・スタジオやシアター・スタジオ、芸術関連マルチ・メディア図書館、さらにショッピング・モールまで揃えるシンガポールの文化芸術振興政策のシンボルになっている。果物の王様ドリアンに外形が似ていることから、「ドリアン」の愛称で親しまれており、地元はもとより、日本、欧米、中国や豪州などの一流アーチストやグループが頻繁にコンサート、ダンス、オペラ、演劇などの公演を行っている。
アートハウス (The Arts House)は、つい最近まで国会議事堂として使われていた歴史的建造物を「芸術の家」に改装、2004年に開設されたシンガポールの芸術センターである。特に若い芸術家の才能発掘と養成や、シンガポールの文化芸術の海外進出に注力している。権威ある国会議事堂を改装して、芸術の家にする発想はいかにもシンガポールらしい。
新国立図書館は、日本・シンガポール国交樹立40周年を記念して、昨年天皇・皇后両陛下がシンガポールを訪問された際、立ち寄られたシンガポール自慢の最新図書館である。
  こうしたハード面での整備に目処をつけたシンガポールは、2000年にルネッサンス・シティ構想を打ち上げ、次のステップとして、文化芸術ソフトの拡充に取り組み始めた。才能あるタレントの発掘と養成、海外一流文化人や芸術家の招聘、青少年への一層の芸術教育、シンガポール・アーチストの海外公演などに多額の政府予算をつぎ込んでいる。ベニスの富が世界中から一流文化人や芸術家を惹き付け、ルネッサンス文化の華を咲かせた歴史が、21世紀のシンガポールに蘇っているように見受けられる。
3・ カジノ解禁は国際文化芸術都市国家創りにも貢献する?
  賭博を厳禁したリー・カンユー時代のシンガポールは、独立したばかりで、国の先行きは不透明、国民生活も苦しかった。だが、リー・シェンロンのシンガポールは既に先進国の一員、国民生活環境も、持ち家比率91%超が示すように豊かになっている。リー親子の判断は、どちらも時代を正しく認識した上での判断なのであろう。
  日本の競輪、競馬の歴史を見ても分かる通り、貧しい国ではギャンブルが生活破壊に繋がるリスクはあるが、豊かな国でのカジノは、非日常的世界を楽しむ文化の一つであり、社会に害毒を及ぼすようなものとは見なされていない。日本を唯一の例外として、殆ど全ての先進国は、以前からカジノを公認しているが、問題になっているケースは見当たらない。遅ればせながら、シンガポールもその一員に名を連ねただけと理解するのが妥当と思われる。
  カジノ解禁は、国の管理が厳しいと云われてきたシンガポールに新しい自由をもたらすものかもしれない。文化芸術国家に相応しい国民の精神的な自由とゆとり作りに貢献する施策の一つになるのではとも思われる。2010年以降のシンガポールが、どう云う道を歩んでゆくか、興味を持って眺めてゆきたい。
   
講師略歴 : 澤田豊治   
元住友商事株式会社。ウィーン及びシンガポールに合わせ11年間駐在。1990年から1996年まで住友商事シンガポール会社社長としてアジア各国で国際ビジネスを担当。現在、(社)日本シンガポール協会会長。LEC大学教授。亜細亜大学他で貿易論、国際経済、外国為替などの非常勤講師をつとめる。
ニコニコ
ソーリー

●白鳥政孝ガバナー
 例会を見学したいとのことで、大挙訪問しました。
 お世話になり有難うございました。   
●齋藤会員
 クラブ協議会案内で淡粋さんの漢字を間違えました。
 始関さんごめんなさい。

出席報告

前々回確定 81.2% 本日出席者  37名
本日欠席者   10名 本日出席率  78.7%

点鐘 市原RC 会長 津留起夫