2006年3月29日
第2066回例会
SAA(司会) 宇都宮会員
会報担当  上條会員

   例会場  ℡ 0436-23-1211 〒290-0026 千葉県市原市五井5584-1五井GH
   事務局  ℡ 0436-40-8900 〒290-0062 千葉県市原市八幡1073
        Mail Address:info@ichihara-rc.com
      会長  加藤 利夫     副会長  津留 起夫
      幹事  千葉 精春      副幹事  西村 美和子



  市原RC会長 加藤利夫
      
  手に手つないで

 千葉RC 初山有恒様

  市原RC会長 加藤利夫

皆様こんにちわ。卓話をいただきます千葉ロータリークラブ会員の㈱朝日カルチャーセンター顧問であり、「ロータリーの友」編集委員であります初山有恒様、ようこそお越しくださいました。
東京では桜が満開のようですが、今日は花冷えのようです。実は昨日は越後湯沢までスキー教室の指導者に欠席者が数名出てしまった、とのことで行ってまいりましたが、年齢を感じて帰ってまいりました。


○ 時節柄、分区内のほとんどのクラブより例会変更の通知が来ております。メーキャップされる方は私までお問合せください。
○ 若鷲会剣道大会へのご協力をいただきましたが、礼状が来ております。広告掲載ありがとうございました。
○ 6月12,13,14日にデンマークにてRI世界大会がありますが、出席ご希望の方は私までお申し出ください。



親睦委員会・泉水委員長:東電六ヶ所村見学移動例会ですがエントリー者が現在19名です。団体扱いになる30名にしたいと思っておりますのでご協力のほどをお願いします。

卓話者紹介:南山プログラム委員長
同期会長のよしみで今日は初山さんに卓話をおねがいすることになりました。同期の分区内会長で「虹の会」というのを作り、毎年同窓会を行っており、親しくさせていただいています。



初山 有恒様

千葉RC会員
ロータリーの友編集委員

「私が出合った作家たち」

司馬遼太郎さん。銀座をいっしょに歩いていると目立つ人だった。あの独特の白髪と黒いフチの眼鏡・・・すれちがうサラリーマンが、「あっ!! シバリョウだ」とつぶやく。
司馬さんの住まいは東大阪。私もなんべんかお宅へうかがったが、家のなかは資料と本でぎっしり。玄関といわず、廊下といわず、書斎といわず、本でいっぱいだった。「坂の上の雲」「龍馬が行く」「燃えよ剣」その他、かずかずの名作のかげには、膨大な資料調べの努力があった。
東京・神田の古本屋街では司馬さんの懇意な店があって、例えば坂本龍馬について調べたいときには、その店に頼んで関係本を全部あつめてもらう。「司馬さんの注文がくると本がなくなってしまう」という伝説があった。トラックいっぱいの本を大阪まで送らせたという話をよくきいた。
司馬史観とよくいわれたが、ご自身の文明史観と読みこなした資料による知識を頭のなかでこねあわせ、ひとつの考え方をまとめてします。そして現地取材へ向かうというのが、司馬さんの作品のつくり方だったように思う。
「街道を行く」という「週間朝日」連載エッセイがあった。私も秋田県取材のとき、いっしょについていったが、たとえば角館あたりの武家屋敷をみてまわっても、それほど綿密な取材をする訳ではない。写真を何枚かとって、土地の人に2,3の質問をするくらい。土地の匂とか空気とかをかぎとって、それをエッセイのなかにまぶしたのだと思う。
「アメリカ素描」という本があるが、これもアメリカ滞在は2週間くらい、読売新聞に連載したあと、一冊の本にしあげている。
司馬さんは、上京すると必ずホテルオークラに泊まった。お酒の強い人で、夜は午前一時、二時ごろまで、在京の編集者たちをあつめて、読論風発、いろいろなことをよくしゃべった。いま考えると、編集者相手に話をすることで、ご自身の作品の中味を頭のなかで整理していたのに違いない。
新聞社は記者の書いたものを商品にするが、一般の出版社は普通、エディター(編集者)しかいない。いかにして売れ筋の作家に作品を書いてもらうかが勝負どころだ。
司馬さんの作品は、悪くても2、30万部、作品によっては百万部をこえるベストセラーになることはまちがいなかった。従って大阪へ帰る司馬さんの見送りはたいへんだった。新幹線ホームに、講談社、中央公論、文春、新潮社、朝日、読売、など、そうそうたる出版各社の重役、部長クラスがお見送りに集まった。新幹線の出発ベルがなると、いっせいにそろってオジギをする。
私はその大時代的な見送りがいやで、役には加わらなかった。あるとき司馬さんに、「あなたも新聞社におられたのだから、ああした大仰な見送りはいやじゃないですか」ときいたら、「イヤァーキミ、出版社の諸君が好きでやっているんだから仕方ないさ」と、カンラカラカラと笑われた。
とにかく亡くなられて十年以上たったけれども、いまでも売れ筋上位を占める人気作家であることはまちがいない。

曽野綾子さん。この人は大した女傑だ。「神の汚れた手」「時の止まった赤ん坊」「無名碑」「天井の青」など著作の幅は広く大きい。最近作は毎日新聞に連載した「哀歌」で、アフリカの部族の抗争のなかにもまれながら生きた一人の日本人女性の苦悩を描いたものだが、名作というのにふさわしい小説だ。かって書いた「誰のために愛するか」という本は二百万部を越える売行きをみせ、若い女性たちの生き方の指針にもなった。
曽根さんは聖心女子大卒、カトリックの熱烈な信者で、非常に強い意志と力を持った作家。私は「あんたは神様がついているから強いんだ」といつもからかうんだが。
作家としての仕事のほかに、この人は「海外邦人宣教者活動援助後援会」という組織をつくり活動を続けている。全世界のめぐまれない国の人たちへの救援活動に身を捧げているカトリックの修道士、シスターたちを支援する組織。曽根さんの意志に感動して、日本全国の有志から、かなりの金額の金が事務所のある田園調布の家に集まってくる。
彼女のエライところは、これらの寄付金がきちんと使われているかどうかを常に確認することだ。
赤い羽根、歳末助け合いなど、また震災のときには、日本でもよく寄付金が集まるが、おざなりの収支決算表みたいなものは発表されることもあるが、使いみちについては、どうもはっきりしないのが常だ。
曽根さんは違う。現地へ自分で出かけていって、確実に井戸は掘られたのか、小学校はできたのか、子供たちに薬はわたっているのか、自分の眼でみて確かめる。そして、きちんとした報告書を寄付してくれた人たちに届ける。
私はあまり信仰心のない人間だ。五年ほど前に、前立腺がんの手術をしたとき、ベットで突如「死ぬまで、毎月一定額の金を支援金として送る」ことを決めた。曽根さんの組織の後援会への送金を、それ以来続けている。
つい最近きた新しい報告書では、「フィリピンの学生たちの教育費」として230万円、「ボリビアの重度の精神障害児施設」に270万円、「マダカスカルの寺子屋教室の修繕費」に240万円といった具合に書かれていた。
さらにインドのバンガロー郊外の不可触民の女子寮が完成したので、4月はじめの開校式には出席して確認してくる旨のただし書きがあった。

渡辺淳一さん。この人はもともと札幌医大の整形外科の医師。「無影燈」という作品で直木賞をとり、作家に転向した人。「失楽園」とか「愛の流刑地」とか、日経新聞の連載小説はいろいろな意味で評判になった。あそこまで書かなくてもとか、60をこしていいかげんにしたらといった批評もあったが、男と女の問題、愛情というものを医者の眼からとことんまで追求すると、ああいう形にならざるをえないのだろう。ある意味で非常に真面目な作家だと、私は思っている。
筆力のある一人だから、女医の草分けだった萩野ぎんとか、いま紙幣に肖像のでている黄熱病の研究者、野口英世の伝説など、すぐれた作品もかずかず残している。
この人、毎年年賀状をくれるが、昨年のには「世のひんしゅくを買うような仕事をしたい」と書いてあった。まあ普通の人がこんなことをいっては困るが、作家なら仕方ない。いい仕事をしてほしいと祈るのみだ。
渡辺さんはゴルフがうまい。手術など立ったまま仕事を続けてきたせいか、下半身がしっかりしている。私も何べんかいっしょに回ったが、大体ハーフ42ぐらい。たいしたもの。

池渡正太郎さん。どなたもご存知の「鬼平犯科帖」「剣客商売」「梅庵もの」などの作家。「真田太平記」という「週間朝日」連載の小説を私のところのセクションで本にした。このごろは、出版界もせちがらくなって、新聞や雑誌の連載小説もスタート前に単行本はどこ、文庫本はどこときまっている。「真田太平記」も、単行本は朝日だが、文庫本は新潮社ときまっていた。朝日から出した単行本もたいへんに売れ行き好調だったので、単行本と文庫本との間の新青版の本をつくったらどうかとのアイデアが出た。池渡さんは水彩画も非常に上手なので、表紙も題字も池渡さんに書いてもらったらということになり、700円台だったか比較的安い定価で全16巻の「真田太平記」ができ上がった。これはよく売れた。たしかトータルで140万部ほど出たと思う。
学歴のほとんどない人で、株屋の小僧さんからスタートしたが、長谷川伸さんという良き師を得て、小説、戯曲など数多くの作品も残している。「銀座百店」というPR誌に連載していた「銀座日記」というエッセイもたいへんに面白い。映画の話、ダンディズムの話、食べものの話、ひいては男の生き方の話まで、範囲は広く深い。ひろい範囲の層に人気のある作家で、本屋さんの文庫の棚には、いまでも池渡作品がずらりと並んでいる。

仕事の上で、いろいろな作家にお目にかかれ、親しく話のできたことは有り難いことだといまでも思っている。
個性は違っていても、みなすごい努力家だ。ある意味では天才なのだろうが、陰ですごい努力、苦労をしている。それぞれすばらしい人間だ。
昨今IT化で、どなたも本よりパソコンのディスプレイを眺めている時間の方が多いのではないか。仕事を持ってると、なかなか本を読むひまがないとこぼす人も多いが、新聞と本はぜひ読んで頂きたい。どんなものでもけっこうですから。必ずあなたの血となり肉となることは必定だから。



加藤会長:13名、多数のご来場をいただき、ありがとうございました。

山崎会員:臨海公園の桜が満開です。風の記憶とともに観賞してください。

蔵内会員:3/23の合同ゴルフに参加できずに申し訳ありません。お蔭様で八幡CCでの3クラブ女子対抗競技に姉崎CCチームが優勝することができました。

山田会員:宮崎藍ちゃんと同じドライバーを使用してダブルボギーを6つたたき、それが全て隠しホールということで袖ヶ浦RCとの合同ゴルフに優勝することができました。

前々回確定     66.0%

本日出席者         31名   

本日欠席者          19名

本日出席率         62.0

     加藤利夫会長