財団組織にしようじゃないかと言うことになりました。財団と言うのは、皆の小さな善意を集めて、その使用目的は
@第一点、公益的な目的の為に使おう。
A第二点、その管理に携わる人達は、出資もするけれど、財団の為に働くときには、管理経費(交通費/弁当代〉一切の対価を求めない。
これが純粋ボランタリズムと言います。そこで1927年に、アメリカに公益的な慈善を目的にする信託財産、こういうものを設定すれば、法人格の取得が出来ます。信託と言うのは信託設定者、つまりお金を寄付する人、寄付されたものを預かる人・トラスティー(trusty〉、その利益を受ける第三者。この三角関係によって出来上がる人間と人間との多層的構造でありまして、その受益者にお金を渡すために、もともとある人の財産を受け取って、受け取る人は複数でなければいけない。なぜなら一人に渡すと、この人が死んだら相続者が無くなってしまう。よって受け取る人を複数にしておいて、若し一人が死んだら残った受取人が、合議によって運営することが出来るという、特別約款を作っておきます。そうすると、財産の管理人は永久に残り、お金も永久に残ります。それらに人達が合議を致しまして、そのお金の一部を使って株を買うとか、株が儲かったらそれを売却して、それで土地を買って、又上がったら売却して、財産がだんだん増えます。オリジナルな財産を処分することによって得た一切の果実(元物 げんぶつから生ずる利益)及び元本は、元に設定した財産との間の法的性格が同一である。こういうのを物上代位(ぶつじょうだいい)real subrogationと申します。物の形は変わっても、財産の性質は変わらないよと言うことです。こうして法人格を取得する訳です。故にこれを日本流に言えば、日本は民法に、財団と社団しかありませから、故にロータリー財団と言うのであります。

こうしてロータリー財団が法人格を取得して、ポール・ハリスが1947年1月27日に亡くなります。生前ポール・ハリスは、若者を育てようと言った。ロータリー財団の理事達は、ポール・ハリスの遺志を継いで、ロータリー財団にお金を集めて、そして国際平和の樹立に資するようにしようじゃないか。人を育てる為に、若者を育てる為に使おうじゃないかと言うので、ロータリー財団の奨学金制度が出来上がるのです。そして長期的に見れば、この若者がどこかの国の大統領になるとか、緒方貞子氏の様に、日本から出たロータリー財団の第一期の留学生が国連に勤めて、高等弁務官になる。事務総長に次ぐ権職です。世界的な緒方貞子さんは、ロータリー財団が生み出した見事な実例であります。緒方さんの父親というのは、朝日新聞の主筆を務めていた方で、二・二六事件の時に軍隊が編集長の部屋に入って「国賊だから撃ってやる」と

言ったら「何をするのか。私を撃って、こと国政が変わるなら、遠慮なく撃て」と言ったら、兵隊は帰って行ったという話であります。あの方が長生きしたら吉田茂の跡取りで総理大臣になったのですが、吉田さんより早くこの世を去りました。貞子さんはその娘さんです。緒方貞子さんはロータリー財団の日本から出た奨学金の第一号。ロータリー運動の偉大な効果でありまして、こういう次第で、ロータリー財団には寄付をして戴きたいと言うことなんです。

問題はクラブでは食事を各自の負担にして、後は人頭分担金その他通信連絡費だけを残して、残りはロータリー財団に寄付する事がよいのではないかなと思います。どこまで行ってもロータリーは、実践活動の背後に、親睦という精神概念、あらゆるタイミングを自己研鎭のモーメンタムmomentumとして捕らえると言う発想があれば、説明としては、国際奉仕の問題は一言で解決が付くものだろうと思います。

7.ニコニコボックス

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8.出席報告
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会員 総数:47名
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本日出席者:31名
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本日欠席者:16名
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本日出席率:66%
*前々回出席率:80.8%

9.点鐘 会長 加藤 庄司