「不養生のすすめ」
精神病の治療をはじめて25年と成ります。最近は種々な薬が出回り結構復帰する人が多くなりました。しかし治らない人は、やはりある壁が有って完治しないのです。そこで西洋医学的な方法に限界があることを認識するにいたりました。
西欧合理主義は情報を集め分析し普遍的な原理を見つけ、それに従い行動する、いかにも正しく見えるのですが、これは即効性に富んでいるという理由以外何も無いのです。したがって時間が経過して起こってくるような事象については決して優れているとは申されません。例えば狂牛病は牛の成長を早める為に羊の脳や脊髄を飼料にした事に原因があります。奄美大島のハブ退治の為に入れたマングースが他の弱小な生物を襲い1万頭にも増えてしまい、ハブは一向に撲滅できなかった事、上げたら暇がありません。
即ち西欧主義は負の要素を排除するところに原点が有ります、しかし東洋の思想の中には負の要素を排除すると言う考え方はありません。即ち陰と陽とダイナニズムが宇宙を形成すると考えるのです。
日本酒は今工場で作られますが製造の基本は400年前の江戸初期に確立されたものです。無数の雑菌の中で麹と酵母と言う性質の違う微生物を操る為にはパスツールの発明した低温殺菌法が必要ですが、日本の杜氏はパスツールの300年前に、温度計も無いときに其の技術を確立しました。人間の心は脳の機能と言う事になっています。正しい判断は脳の健康からもたらされます。
以下に脳のメンタルヘルスについて少し触れます。
1・7-8時間の睡眠を1日のうち大体同じ時間にとる事
2・除波睡眠とレム睡眠とは交互にきます。このサイクルは90分から120分ですので、昼寝は30分以内で。
3・不眠の理由は生活のリズムの乱れと運動不足
4・運動は出来る限り午前中に
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いずれにしても人間が植物化し全てが論理で固めてしまうような世界が精神病患者を増やす理由となります、是非おおらかに不養生おおいに結構、自分のリズムを守って多いに健康に生きていただきたいと思います。植物には脳みそが無い事をお忘れなく。動物だから脳ミソがある。脳は動く為のシステムで有ると言うことです。老子の言う「一は二を生じ、二は三を生じ、三は万物を生ず。万物は陰を負い、陽を抱き、沖気を持って和をなす。」の中、沖気とは流れ、運動の事であると思います。運動は歴史性を包含し、万物は運動によって生じるものに他なりません。
卓話者 浅野 誠 略歴。
新潟県上越市出身
昭和48年 千葉大学医学部
昭和59年 茂原保健所所長
昭和60年 千葉県精神科医療センター
診療部部長(現職)
著書〜
*ビジネスマンの精神病棟(ちくま文庫)
*素朴に生きる人が残る(主婦の友)
*月刊誌に「不養生のすすめ」を遠山高史のペンネーム掲載中
7.川島会長より一言
「大西会員」「外山会員」追悼
本年度は大西会員、外山会員と我々にとって忘れがたい人を失う年度となってしまいました。5月7日の週報は2人を偲んでの追悼の記録を残したいと思います。MailでもFAXでも結構です、会長、幹事、川内会員宛てお送りください。又、記念になるような写真が御座いましたらご提供いただければ幸いです。5月7日の会報は年度終了までにはまとめたいと思いますので、ご協力のほどお願い申し上げます。
8.ニコニコボックス
*本日はありません。
9.出席報告
*会員総数 :48名
*本日出席者:32名
*本日欠席者:16名
*本日出席率:67%
*前々回出席率:79.5%
10.点鐘 川島 智・会長
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