これで行きますと、介護報酬はほぼ全国一律ですから、人件費の安い地方の施設は、まだ黒字が出せるでしょうが、都市部の施設は厳しい状況になるのではないかと危惧しています。
 昭和61年に施設が開設されてから、17年になりますが、現在までに208名が台帳に記載されております。という事は、今50名が在所していますので、すでに158名が退所されたことになります。
 退所というのは、言葉を変えて言えば、なくなったといってもいいと思います。平成12年3月31日までが、措置の時代で、ここまでで、174名(在所者24名)、それ以降が介護保険の契約入所の時代になりまして34名(在所26名)の入所となります。 在所期間は、昭和61年からいらっしやる方4名から、ついこの3月に入所された方まで、平均4年5か月程度になります。入所者台帳をずっと見ていきますと、非常に印象に残っている方と、名前は覚えていますが、顔はまったく思い出せない方まで、いろいろですが、やはり印象に残る方というのは、それなりに何か問題があった方ですとか、何か特別に記憶に残るようなことがあった方ということになります。
 私が施設の運営を委託されたのは、平成3年4月からですが、そのときから、私の基本的考え方は、ご利用者の皆さんが人生の最終末期をできるだけ平穏に過ごしていただけるように援助するということです。これは、制度が変わっても変更していません。あとは、限られた資源を、いかに効率よくこの理念に沿って経営していくかが私に課せられた任務となっています。
 いろんなケースにぶつかった場合の判断の基準は、自分が介護を受けるとしたら、どう扱ってもらいたいか、であります。職員にも、常に言っていることは、自分の親を入所させたい施設、自分が入所したい施設を目指してくださいということです。
 今のところ、まだまだすべての利用者にご満足いただけるというところまではいたっていません。私が65歳になるまで、あと6年ありますので、それまでになんとか私が入っても安心だと思える施設にしたいと考えております。
 老人ホームでの生活ですが、年度ごとに事業計画を作りまして、毎月一度は、その月にちなんだ、なんらかの季節行事を企画しております。3月なら、ひな祭り、4月なら桜見物、5月は端午の節句等を実施しています。子供っぽいとお思いの方もおられると思いますが、入所者の方は、殆どの方が季節感がありませんので、季節の変化を実感してもらうためです。

その他、それぞれの方が好みのクラブ活動(音楽、生け花、詩吟、書道等)をやっています。
 これは、地域のボランティアさんに講師になっていただいて、実施しております。老人ホームは病院と違って、何らかの治療を行うわけではありません。生活の場ですから、利用者の方のこれまでの生き方がそれぞれでてきます。障碍を持ってから、それまでの生き方をすべて捨て去ってしまう方もいれば、新たになんらかの生きがいをもとめて生きていく方もいます。

われわれとしては、援功者側の価値観を押し付けないで、ご本人の価値観を大切にして、自分の人生を生きていただくように努力しています。
 身体的な援助は勿論必要ですが、それと同時に精神的な援助の方がむしろ重要な場合が、しばしばあります。施設には、たくさんのボランティアさんがやってきます。皆さん、良い人ばかりですが、中には考え違いをしている方もいて、かわいそうなお年よりを慰めてやろうという善意で施設に来るのですが、自分達は一段高いところにいて、慈善を施すような態度の方などは、よく職員とぶつかって来なくなるということもあります。
 やはり長続きするボランティアさんというのは、自分自身の人間性を高めようと努力している方々で、そういう方には、いつも頭が下がります。施設でのご利用者の姿というのは、いつか自分が辿る道だと思っています

8.ニコニコボックス

*花澤 英昭・会員〜つまらない話を聞いて頂き、有難う御座います。

9.出席報告

*会員総数  :49名
*本日出席者:34名
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本日欠席者:15名
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本日出席率:69.3%
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前々回出席率:73.4%

10.点鐘 川島 智・会長