コンビニが扱う商品は約3,000品目と多くない。コンビニは満遍なく多くの商品を並べるのでなく、少数の売れ筋に的を絞ることで売上を伸ばしてきた。商品の絞込みと呼ばれるものだ。しかし売れ筋であり続ける商品はほとんどない。3000品目のうち半分以上は1年で中身が入れ替わるのです。アサヒビール(2502)の「スーパードライ」キリンビール(2503)では「一番搾り」や「ラガー」など人気の高い品目が相当なスペースを占める店が多くなった。ビールアイテムの絞り込みだ。セブンイレブンのビール値下げが関係していることは間違いない。つまりメーカーや品目を絞り込み、単品販売量を増やすことにより、メーカーからリベートなどで有利な条件を引き出すわけだ。これによって加盟店の粗利益を確保することが可能となる。コンビニの商品絞り込みにおいては、選ばれた方は天国、外された方は地獄だ。だからこそメーカーはコンビニの棚を確保するために必死になるのだ。ビールなどはディスカウントストアやスーパーが主力だから、まだましかもしれない。最もコンビニの商品政策に敏感なのは、菓子と飲料業界。グリコにしてもコンビニの要請は真っ先に優先しなければならなかったのだ。 実際はコンビニが選ぶのはメーカーでなくて個々の商品である。いきおいメーカーの新商品開発競争は激しくなる。特に飲料業界ではその傾向が強いが、ヒット商品はそうそう生まれない。新商品は1,000に3つ程度しか、生き残らないと言われているのです。売上次第ですぐ棚から外されてしまうので、新商品開発の負担は相当重いようだ。ところが意外にも飲料を最も売っているのは自動販売機。これが約4割のシェアで、コンビニでの販売量は2割程度に過ぎない。それでも飲料メーカーがコンビニを重視する理由は何だろうか。ひとつにはコンビニ店頭に並ぶことのプロモーション効果、もうひとつがコンビニの情報・データの価値、つまりマーケティングのためだ。新製品だけでなく小型ペットボトルなどの容器ですら、コンビニのデータが直接、間接的に関係している。「生茶」はそんな中で飛ばしたキリンビバレッジのヒット商品。この商品は発売後じわじわと売上げを伸ばし、今なお人気が高い“富士山型”だ。爆発的に人気が急上昇した後急降下する“茶筒型”に比べ、この商品がロングセラーとなる可能性は高いと見ている。 積極的な出店政策で売上規模を競い合ってきたコンビニも利益重視の政策に転換を迫られたと言っても過言ではないでしょう。主要コンビニ銘柄はほとんど昨年来安値を更新しました。当社が閉鎖するのは1日の販売高(日販)が30万円以下の店舗の予定。この水準はオーナーの所得を含めて考えると経営が成立っている状態とは言い難いものだ。ファミリーマートの平均日販は45万円。しかし、同じように積極的店舗展開をしてきた某コンビニの日販は69万円。この差は何だろうか?日販が50万円弱程度の某R社をはじめ中堅のコンビニに対する評価は、限定的にならざるを得ないというのが正直なところです。 レベルの差はあれ、コンビニの企業努力は、すべてこの日販の水準をあげることにつきる。多大な投資を要するeコマースや |
金融戦略、そしてメーカーやベンダーに負担をかけてでも売れる商品を開発しようとするのはすべてその為であると言っても過言ではない。 コンビニの金融戦略はどうだろうか。例えば、セブンイレブンはグループで銀行(IY銀行)を設立。他のコンビニは何らかの形で銀行ATMを設置するだけ。ATMでは利用手数料が収益源となる。ただこの点で少なからず誤解されていることがある。利用手数料と言っても消費者が支払うものだけではない。例えば、A銀行のATMでB銀行の口座からお金を引き出す場合は手数料を取られている。しかし同時にA銀行はB銀行からも手数料をうけとっている。つまりATMの採算をとるには必ずしも消費者から手数料をとる必要はないのです。セブンイレブンは言及を避けている節があるが、自ら銀行設立する本当の狙いを推測するとATM利用手数料を無料にする公算がある。これは世間ではあまり認識されてない。IY銀行の営業開始には、まだ問題が残っているが、もしATM利用手数料がゼロ円となれば、皆さんの本当の「財布代わり」が誕生する。
某コンビニがおにぎりの値下げを実施した。値下げ幅は約10円から20円で、平均約8.5%。たかが、おにぎりと侮ってはいけない。某コンビニで販売されるおにぎりは、年間約800億円。ファミリーレストランで言えばデニーズの年間売上高に匹敵するのだから驚き。皆さんはそれだけコンビニおにぎりを食べているのです。 御静聴、有難う御座いました。 7.ニコニコボックス 8.ソーリーボックス 9.出席報告 10.点鐘 川島 智・会長 |