30調査研究機関平均の2003年度経済見通しは実質GDP+0.1%(政府見通し+0.6%)、名目GDP△1.0%(政府見通し△0.2%)となっている。名目GDPは平均成長率で試算すると495兆円となり500兆円を割り込んで、1994年頃の水準(492兆円)まで後退する。

2003年度予測では、世界景気の減速を背景に、景気の牽引役であった輸出(2002年度平均+7.8%→2003年度平均+1.5%)、生産(同+3.2%→+0.7%)の伸びが鈍化し「ゼロ近辺での成長ペースにとどまる(野村総研)」と見る向きが多く、全機関が+0.9%から△0.9%と極めて狭い幅に収まっている。02年度の予測では+0.4%から△1.5%と今回同様狭い幅におさまっていたが、現時点での02年度実績見込み+0.9%を全ての機関が外したかたちとなっている。

03年度の予測の特徴をみると、全体として各需要項目とも02年度実績見込の変動幅に比べて動きが小幅化している。

@輸出は02年度のプラス成長に寄与したが、03年度は「全体として伸び悩みが鮮明(明治・安田生命)」となり、全機関平均の伸び率は同+7.8%→+1.5%に低下している。

A民間最終消費(個人消費)は、「企業が基本給や賞与の削減など人件費削減の手を緩めない(住友信託)」環境のなかで、全体として伸びがとまる(同+1.3→△0.0%)。

B民間設備投資は、「今まで必要最小限に抑えられていた更新投資が徐々に滲み出てくる展開(明治・安田生命)」となり、下げ止まるとする向きが多い(同△4.1%→△0.3%)。

C民聞住宅投資は、住宅ローン減税の期限(03年12月末まで)を控えての駆け込み需要も環境悪化から大きくは期待できないとしてやや減少する(同△2.9%→△1‘7%).その他の需要項目をみても、公的固定資本形成(公共投資)が同△5.0%→△4.9%ヘ、輸入が同+3.3%→+1.8%ヘとなっている。

鉱工業生産は、「当面、踊り場局面を迎える(野村総研)」として同+3.2%→+0.7%となっている。円相場(年度平均)は、110円(あおぞら銀行)〜127.8円(富国生命)とばらつきがみられるが、平均値は122.5円と現時点の120円前後からはやや円安の見通し。

2.米国経済の成長率は、2002年+2.3%、2003年+2.1%来国経済の2002年実質経済成長率実績見込み(28機関の平均値)は、自動車を中心とした個人消費に支えられ+2.3%となっている(2001年実績+0.3%)。2003年見込みは+2.1%と潜在成長率以下の緩やかな伸びを見込んでおり、景気の2番底は回避と見る向きが多い。

以上、あまりいい材料がありませんが、皆様のお仕事に多少の役に立てばと思い、卓話とさせて頂きます。有難う御座いました。

7.ニコニコボックス

*本日はありませんでした。

8.出席報告

*会員総数  :49名

*本日出席者:31名

*本日欠席者:18名

*本日出席率:36.2%

*前々回出席率:100%

9.点鐘 加藤 庄司・副会長