近年、雪印食品、日本ハム、三井物産、東京電力、日本信販など、日本を代表する企業で不祥事が頻発し、企業への不信感が増しております。又このことが低迷する日本経済に追い打ちをかけている。どのようにすれば、この危機を脱することが出来るのでしょうか。日本経済を支えているのは企業であり、その中心に位置するのは経営者であります。これまでその経営著の資質として『才覚』が重んじられて来ました。才能にあふれ,顕著な功績をあげた者が社長など経営トップに任命され、企業や社会で高く遇されて来ております。しかし昨今の不祥事を見るにつけ、それだけで評価してはならないと思うのであります。『才子才に溺れる』と言われるように、才能を持って成功を収めた経営者が、自分の力を過信して失敗する例があまりにも多い。優れた『才覚』の持ち主であればあるほど、その力をコントロールするものが必要となってまいります。企業の利益を優先し、その事実が発覚しそうになったとき、嘘を言い、人を騙し、事実の隠蔽に走った。企業統治の危機を脱するためには、高度な管理システムの構築も必要でしょうが、それよりも我々が子供のころに.親や教師から教えられた『欲張るな』『嘘をつくな』『人を騙すな・正直であれ』と言うような単純な素朴な教えをまず企業経営者が徹底して守り、社員に守らせる方が、はるかに有効と考えます。人間としての倫理観を確立し、それを守ろうとする生真面自な社会をつくることが日本再生の最善の道と考えるのでございます。こんな時代を見透かしたかの様に大正の末期に、米山先生は“常識関門’と言う本をお書きになりました。最高学府の学業を終了し世に出て行く学生に対して、科学と人生哲学との相関関係の認識の必要性を説いたものでありまして、科学によって技術開発が行われ、これをどのような目的で駆使するかの決断は、『常識』によって決められる。それは自己修練なくして達成されるものではない。その自己修練の場を、地域社会の職業人に社会の常設の制度として提供しているものが、ロータリー運動にほかならないと結んでおります。世の中の指導者たるものは、万事常識をもって世の中を渡るべし。関門とは、世の中を渡る一つ一つの区切りで、良識をもって渡っていく。これが社会の指導者の必要な条件・性格で無くてはならないと言うのであります。世界がどのように新技術の開発によって充満しようとも、所詮行動の決断だけは人間がある種の価値判断をもって行わなければならないということを、我々は忘れてはならないのであります。
1929年、アメリカ経済社会を襲いました空前絶後の大パニックの時に、アメリカのロータリアンは誰一人も倒産しなかったと言う。それは何か。ロータリークラブの例会で企業経営上の発想を交換しながら、職業奉仕の原理を体得し、それを自らの企業経営に適用して来た職業奉仕実践の功徳であると言われているのであります。パーシー・ホジソンと言う元国際ロータリーの会長の著書『奉仕こそわがつとめ』の中に、アイオワ州のデパートの事例が紹介されております。そのデパートのレインコートの売り場には、沢山の商品が売れ残って
いた。店主は早く処分したいので、広告係主任にその処分を命じた。その主任は、翌朝の新聞に広告を出した。『当店は売れ残りのレインコートを沢山手持ちしています。それは店晒(たなさらし)品で、

中に傷んだ物もあります。それを捨て値で提供します。その中には新品同様の物も混ざっておりますが、もし売れなければ川に流してしまう他は無いでしょう。何れも格安のお値段であり、お買い得ですから、どうぞお越し下さい』。店主は此の広告を見て激怒しました。売れ残りのレインコート、店晒しの品とはなんという広告だ。店に飛んで行き『広告主任を呼ベ』と怒鳴った。怪訝に思った他の店員は『店では混雑を整理し切れなかったほどのお客でした。広告したレインコートは開店から二十分で全部売り切れました』。客は何を貫ったか。それは真実を貫ったのです。20年前のオイルショックの時に、ある製造卸売の二代目であるロータリアンは、先代からの番頭に『商売というものは、何時損をするか判らない。儲かるときには思いきり儲けておかなければなりません』と再三値上げを進言された。しかし『私は先代から引き継いだ職業の倫理に反するから』と頑として値上げをしなかった。処が、価格の変動期には必ず揺り戻しがあります。やがて不況期が訪れ、同業者が倒産して行く中で、その会社は以前にもまして注文が増えました。不思議に思って番頭が小売業者に訊ねたところ『あのオイルショックの時に、私たちの足元を見ないで元の価格を守ってくれたのは貴方の会社だけでした。私たち小売業著は、貴方の会社には恩がありますので、どんなことがあっても貴方の会社から買うことにしております。貴方の会社で注文に応じ切れないときは、あのときに値上げ幅の少なかったところから仕入れすることにしました』と言われたそうです。又、ある食品製造会社が金沢にあり、ある機械に欠陥が発見されました。それを全部回収修理して再び全てのお客様の処へ届ける作業をすると、計算上確実に会社は倒産することが明らかになったのです。社長はロータリアンとして、全分野の職業人を対象とするロータリー倫理訓6条の示す通り、敢えてその作業を実行した。銀行融資を受けながら四苦八苦して、何とか欠陥修理の作業を成し遂げた。その後に何が待っていたか。その会社は絶大なる信用を持って報いられ、やがて世界的な企業にのし上がっていった。二度とない人生の中で、自分の職業を選んだ事についての苦しみ慶び、こういうものを建設的に作り上げて行こう。これがロータリー運動の本質でございます。(全文は、www.ichihara-rc.com/shu-ho/RC0115-1912/pg に記載あり)

6. ニコニコボックス

*加藤庄司・会員〜先日、川島会長から若夫婦に箱根の、みやげに赤富士の絵画を頂きました。
*清水 功・会員〜昨年、愚息が結婚しました。まったく突然の事でビックリしてますが、ともあれ明るい年となりました。

7.出席報告

*会員総数  :49名
*本日出席者:35名
*本日欠席者:14名
*本日出席率:71.4%
*前々回出席率:70.8%

8.点鐘 川島 智 会長